魚礁を受注したら、まずは工場サイドにおいて生産打ち合わせを行います。規格サイズ(例0.5t・1.0t・2.0t等)によって「切羽のどの場所を掘削したら最適なのか」を検討・決定します。これが製品の品質の向上につながる第一歩となります。
目測だけで自然石魚礁を生産しようとすると、時としてそのサイズや重量を錯覚しがちになるので必ず計量器等で抜き取り検査を行っております。また、ショベルやダンプの定期的な清掃をすることによって、投入現場における濁りの原因となっている泥の持込みを極力防いでおります。
ダンプに積込む前に確認を行います。規格外の形状や、ひび割れ及び「欠け」などの不良品を抜き取ります。また、自然石は「欠け」が出やすいのでストックヤードへの移動には細心の注意を払わなければなりません。形状維持の為には納入現場到着までのタッチ数を減らすことも重要です。
ガット船に自然石魚礁を積込む際には、事前にその船に情報を共有させたうえで投入シミュレーションを行っております。これにより無駄のない投入管理ができることとなります。もちろん、積込む直前には前現場の残渣などが無いか船底を確認し、処分や清掃など必要に応じて適切な処理をおこなっております。
ガット船は弊社採石工場を出発時に元請けの担当者と連絡を取ります。これによって投入現場の雰囲気をうかがうことができます。私共は「コミュニケーションは大切な投入手段」だと考えております。特に現場で投入指示をする方、いわゆる「潜りさん」とは密接な意思の疎通が必要となります。「潜りさん」との「阿吽の呼吸」によって、より効率的な投入が可能となります。
工場積込み場においては、ほとんどの自然石魚礁を慎重に数個ずつガット船のオレンジバケットにて掴みながら積込みます。これはとても手間のかかる作業なのですが、製品の形状維持には最も効果的な方法だと考えています。粒形の管理は自然石魚礁の生産現場にとって大切な管理項目であります。粒形が悪いと投入現場での収まりはもちろんのこと、工事完了後の漁場の将来にも悪影響を与えかねないのです。このように、ガット船と生産工場のたゆまない努力が(株)真興産業の品質を保っております。「コミュニケーション」と「形状管理」は、自然石魚礁の生産にとって最も大切なことなのです。
自然石魚礁には0.5t・1.0t・2.0t等、数種類の規格があります。弊社の自然石魚礁は、長崎県内では五島市・新上五島町・長崎市・諫早市・長与町・大村市などその他の自治体で発注の地先魚礁事業や、長崎県発注の自然石を利用した湧昇流事業及び広域漁場整備工事などで使用いただいた実績があります。また、県外でも多くの現場にてご利用いただいて参りました。これからの魚礁事業がどのように変貌を遂げようとも品質管理を怠らず、毎日の糧としてコツコツ地道に自然石をたたき出して行くことが私共(株)真興産業に与えられた使命であると考えております。
納入した自然石魚礁に多くの藻が付き、より多くの魚介類が生育してくれることを願わずには居られません。
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